台湾、上半期の貿易は輸出入ともに10%台の伸び

(台湾)

中国北アジア課

2018年07月18日

台湾の2018年上半期の貿易額は、輸出が前年同期比10.9%増の1,638億2,595万ドル、輸入が10.8%増の1,382億8,172万ドルと、いずれも増加した(表1、表2参照)。6月単月の輸出は前年同月比9.4%増、輸入は15.4%増となった。

6月単月の輸出は過去最高に

台湾財政部が7月9日に発表した貿易統計速報によると、2018年上半期の貿易額は、輸出が前年同期比10.9%増の1,638億2,595万ドル、輸入が10.8%増の1,382億8,172万ドルで、貿易黒字は11.5%増の255億4,423万ドルとなった。6月単月の輸出は前年同月比9.4%増の282億4,524万ドルと、同月としては過去最高だった。輸入は15.4%増の230億3,806万ドルとなった。

表1 主要国・地域別の輸出入
表2 主要品目別の輸出入

財政部は2018年上半期について、世界経済の安定成長、新興技術の応用や原材料価格の上昇、国際ブランドのハイエンド携帯電話の2017年の出荷前倒しが輸出入に影響を及ぼしたと分析している。

また、台湾経済部国際貿易局が7月9日に発表したレポートによると、2018年上半期は国際的な原油価格や金属価格の上昇、海外における機械需要の高まりなどから国際経済が好調に推移し、輸出が活況を呈していると指摘している。ただし、7月6日には米中双方が追加関税を賦課しており、今後の状況や影響について注視していく必要があるとした。

下半期は輸出の伸び率が縮小との見方

財政部は今後の見通しについて、2018年の世界景気および貿易は回復傾向にあることに加えて、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、車載用電子機器などの新興産業のビジネスチャンスやeスポーツ(注)の拡大は、スマートフォンの成長減速に対する懸念を相殺するもので、引き続き海外販売の動きに注目していくとした。ただし、前年の基数が高いため、2018年下半期の輸出の伸び率は縮小するとの見方を示した。他方、米中貿易摩擦の拡大、為替レートの変動や国際競争の激化、中国大陸におけるサプライチェーンの現地化などが制約要因になり得ると指摘している。

(注)「エレクトロニック・スポーツ」の略。

(嶋亜弥子)

(台湾)

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