改正鉱業憲章案のパブコメ締め切りを1カ月延長

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2018年07月11日

南アフリカ共和国のグウェデ・マンタシェ鉱物資源相は7月9日、鉱業憲章の改正に関するパブリックコメントの締め切り延長を発表した。6月15日の発表(2018年6月27日記事参照)では締め切りを7月27日としていたが、これを約1カ月延長し、8月末までとした。

マンタシェ鉱物資源相は延長の理由を「ステークホルダーにさらなる議論の時間を与えるため」としている。鉱物資源省が7月7~8日にハウテン州で開催した鉱業憲章サミットでその旨が発表された。なお、提出期限を約1カ月延長するものの、同改正案について10~11月に国会承認を得るスケジュールに変更はないとしている。

同サミットには、改正鉱業憲章案に対するコメントや疑問点を直接、政府に伝える場として、主要な業界団体をはじめ数百人の関係者が参加した。鉱物評議会(旧鉱業会議所)が鉱業界の競争力を阻害するとして反対を唱えてきた、鉱山周辺のコミュニティーや労働者が対価なしで10%の権益を取得できることを規定する条項についても、主要な議論として取り上げられたと報じられた(「ビジネス・デイ」紙7月8日)。

同サミットに参加した鉱物評議会のンコンリスィ・ムゴジョ会長は「このような会議はこれまで一度も開かれたことがない」とし、鉱業憲章の改正に当たり、政府が各ステークホルダーとの対話の機会を設けたことに一定の評価を示している。マンタシェ鉱物資源相は「産業界、コミュニティー、労働者らの間の信頼関係は2カ月前に比べて改善している」と述べている。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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