日本産のパンプキンシードが富裕層中心に人気

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年07月24日

日本産の緑色のパンプキンシード(カボチャの種、注)がベトナム富裕層を中心に人気だ。ベトナム人はおやつとしてスイカやヒマワリなどの種を食べる習慣があり、2017年9月に保健省傘下機関のオンライン新聞「健康と暮らし」でパンプキンシードの効用について特集が組まれたことなどをきっかけとして、健康を気遣うベトナム人の注目を集めている。販売価格は1キロで約600万ドン(約2万9,400円、1ドン=約0.0049円)と、他国産の7~9倍だ。これほどの価格差でも、日本産パンプキンシードを食べたいという消費者が都市部を中心に増えている。

富裕層の間で高価な日本産の良さが広まる

「ベトナムネット」誌(7月11日)によると、ハノイ市在住の女性はお茶請けとして、味と香りが良い日本産を友人に勧めている。「生産から加工まで厳しく管理され安心感がある。パンプキンシードは栄養分が豊富だが、日本産は特においしいので高くても購入する」とその理由を語る。また、ある会社員は職場でのおやつ用に購入する。「毎月1キロ注文する。以前は日本に行く友人に頼んでいたが、価格は高いものの、現在は国内で購入できるようになった」と、入手が容易になったことを喜んでいる。

リピーターが多いものの、新規顧客の層も広がる

また、「VNEXPRESS」誌(7月13日)によると、ホーチミン市在住の女性は、日本産を輸入する店があると聞き、早速注文した。「朝食用に15袋(1袋30グラム入り)270万ドンで購入した。健康のためだけでなく体形維持にもいい」と語る。また別の女性は、日本産が高価なため5袋のみ購入した。「200グラムで12万5,000ドンのインド産を購入していたが、品質と香りの観点から日本産が良い」と品質を評価している。

北海道産のパンプキンシードは、同市内の高級食材店で販売されている。店主によると、日本で買い付けて持ち込むため、流通量は少なく値段も高くなるそうだ。大量に購入するのはリピーターが多く、新規の客は通常、少量を試しに購入するという。

(注)緑色のパンプキンシードは、白色のカボチャ種子の殻をむいた中身の部分に相当する。

(小林亜紀、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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