航空産業FZでエアバスの物流拠点と塗装工場が開業

(モロッコ)

ラバト発

2018年07月20日

7月4日、カサブランカ空港に隣接する航空産業用フリーゾーン(FZ)で、フランスのエアバスの航空産業用物流拠点および塗装工場の開業式が行われた。開業式には、ムーレイ・ハフィド・エルアラミ産業・投資・貿易・デジタル経済相が立ち会った。フリーゾーン内では、エアバスの子会社ステリア・エアロスペース・グループが航空機部品を製造している。

物流拠点は、航空宇宙産業の物流に特化したフランスのブロンデル・グループと、モロッコを中心に運輸物流ビジネスを展開するリナ・ホールディングとの合弁会社SFMLによって、5,000万ディルハム(約6億円、1ディルハム=約12円)が投じられ設立された。航空産業にモロッコ企業が事業者として参画するのは初めてで、開業したSFMLの拠点は3,000平方メートルの敷地に従業員100人を雇用する。数年内には取扱能力を3~4倍に拡大し、雇用は2倍に増やす計画だ。

塗装工場はフランスの航空機および鉄道車両のシーリング・塗装大手サティス・グループ(注)が設立した。

ボンバルディアやボーイングも進出

同フリーゾーンでは、このほかにカナダのボンバルディアが航空機の胴体、主翼部品を製造している。また米国のボーイングは2001年、フランスの航空宇宙・通信大手サフラン・エレクトリカル・アンド・パワーと合弁企業MATISエアロスペースを設立し、航空機用ハーネスなどを製造している。

(注)2018年3月にフィナエロから名称変更。

(井上尚貴)

(モロッコ)

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