上半期のGDP成長率は7.1%、高水準を維持

(ベトナム)

ハノイ発

2018年07月10日

ベトナム統計総局によると、2018年上半期の実質GDP成長率は7.1%だった。第1四半期の成長率7.4%(2018年4月13日記事参照)に比べ、第2四半期は6.8%と鈍化したものの、上半期としては過去8年間で最も高い伸びとなった。

GDPを産業別にみると、農林水産業が3.9%増加(前年同期比1.2ポイント増)、鉱工業・建設業が9.1%増加(3.3ポイント増)、サービス業が6.9%増加(増減なし)だった(表参照)。成長が著しかった鉱工業・建設業の中でも、製造業は13.0%増加し、過去7年間で最も高い伸びとなった。好調な外需に支えられた輸出が主な要因として挙げられるが、主要な輸出先である米国と中国の貿易交渉が、今後ベトナム経済に影響を及ぼすことを懸念する声もある。

表 上半期の実質GDP成長率とCPI上昇率の推移

GDPの産業別構成比は、農林水産業14.2%(前年同期:15.1%)、鉱工業・建設業33.8%(32.8%)、サービス業41.8%(41.8%)、税金10.3%(補助金を除く)(10.3%)で、前年同期と比べて大きな変化はみられなかった。

グエン・スアン・フック首相は7月2日に開催された地方政府との会議で、上半期のGDP成長率を評価しつつも、年間目標6.7%を達成するため、第3四半期は6.5%、第4四半期は6.4%の伸び率確保が必要だと訴えた。

2018年上半期の消費者物価指数(CPI)上昇率は、上半期平均で3.3%(前年同期比0.9ポイント低下)だった。フック首相は、CPI上昇率が政府目標の年平均4.0%を超えないように、医療サービスや電気料金などの値上げは慎重に行うよう指示した。

(庄浩充、グエン・ラン)

(ベトナム)

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