再生可能エネ発電の割合が上半期は褐炭・石炭火力を上回る

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2018年07月20日

連邦エネルギー・水道事業連合会(BDEW)の7月10日の発表(速報値)によると、総発電量に占める再生可能エネルギーの割合が2018年上半期に初めて褐炭および石炭による発電の割合を上回った。再生可能エネルギーは前年同期に比べ約10.3%増加し、総発電量の36.3%を占めた。一方、褐炭・石炭火力を用いた発電量は前年同期比10.2%と減少し、総発電に占める割合は35.1%となった(表参照)。褐炭火力のシェアは22.9%から22.5%にわずかに減少し、石炭火力は15.6%から12.6%に3ポイント減少した。また、天然ガス火力は13.5%から12.3%にシェアを減らした一方で、原子力は10.2%から11.3%とわずかに拡大した。

表 ドイツの総発電量に占める発電方法別の割合

BDEW会長のシュテファン・カプフェラー氏は、再生可能エネルギーを電力系統に導入するための電力供給網の拡充が以前にも増して必要になったと指摘した。またBDEWは、脱褐炭・石炭発電の流れの中で、再生可能エネルギーの電力供給の不安定さを補うバックアップについては課題が残るとしている。

なお、ドイツの気候変動計画に伴う脱褐炭・石炭発電が、炭田地域の雇用などの経済的影響を軽減させるため、政府は6月6日、褐炭・石炭に代わる産業や雇用の創出について議論する「成長・構造変化・雇用に関する委員会」を立ち上げている。同委員会は2018年末までに褐炭・石炭火力を段階的に廃止する計画や最終的な全廃の期日を決定し、炭田地域での新たな雇用創出計画を立てるほか、2030年の温室効果ガス削減目標を達成するための施策などを決定する予定。

(ベアナデット・マイヤー)

(ドイツ)

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