ビジネスヨーロッパ新会長、日EU・EPA署名に期待感示す

(EU、日本)

ブリュッセル発

2018年07月06日

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は7月5日、フランス最大の経営者団体・フランス企業運動(MEDEF)の前会長のピエール・ガタズ氏外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが同連盟の会長に就任したと発表した。ビジネスヨーロッパのプレスリリースによると、ガタズ新会長は「経済成長と雇用拡大」とともに、「保護主義との対決」を優先課題に掲げている。また、同会長は日EU経済連携協定(EPA)について、(保護主義が台頭する現状を念頭に)「双方の利益のために相互協力できることを示す」との認識を示した。

保護主義の時代に欧州は前向きな通商政策を

ガタズ新会長は「世界の通商ルールやそれを支える国際機関をないがしろにする一方的な動きが横行する今こそ、欧州は国際的なリーダーシップを発揮すべきだ。ビジネスヨーロッパは、双方の通商政策がエスカレートし、完全な貿易戦争に至る事態を極めて憂慮している。開かれた市場とルールに基づく貿易が、欧州企業の国際競争力維持にとってカギを握る」との現状認識を明らかにした。

また、「保護主義に欧州はどう対峙(たいじ)すべきか」について、同会長は「EUとしてはWTOルールに沿った利益確保の立場を堅持すべきで、この価値観を共有するパートナーと野心的な通商協定を締結し、前向きな通商政策を展開すべき」と指摘。特に日EU・EPAを挙げ、署名によって「市場を開き、双方の企業・市民に利益をもたらす通商ルールを刷新すべく、相互に協力することができることを示すことになる」と、先進国間の協調・協力の重要性を語り、同協定の署名(2018年4月19日記事参照)に期待感をにじませた。

(前田篤穂)

(EU、日本)

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