欧州委、日EU・EPAの署名をEU理事会に提案

(EU、日本)

ブリュッセル発

2018年04月19日

欧州委員会は4月18日、「日EU経済連携協定(EPA)」(2017年12月に交渉妥結)の署名と締結についてEU理事会に提案したと発表した。欧州委のセシリア・マルムストロム委員(通商担当)は、日EU・EPAが「EUが妥結した史上最大級の通商協定」であることを強調、今般のEU理事会への提案は批准に向けたプロセスの開始であり、「重要な道標(Important milestone)」とツイッターに投稿している。

2018年夏の日EU首脳会談での調印目指す

欧州委は、EU理事会の承認が得られれば、最終協定案を欧州議会に送付、2018年夏までにブリュッセルで開催予定の日EU首脳会談での調印を目指すとしている。また、欧州委は「日EU・EPA」の発効時期について、現在の欧州委体制(ユンケル政権)が2019年10月末に任期満了を迎える前までを想定しているとしている。

このほか、欧州委は、日本とは投資保護や投資紛争解決手続きについての交渉を続ける必要もあることに言及。安定的な投資環境を整備するために両者で速やかに交渉を進める必要があるとの考えを示した。

なお、欧州委は同日、EU・シンガポール自由貿易協定(FTA)・投資保護協定の署名と締結もEU理事会に提案している。マルムストロム委員は記者会見で、シンガポールについて「日本よりも小国だが、EUにとって東南アジアへの窓口であり、1万社のEU企業が進出している」と指摘、その重要性を語った。発表によると、シンガポールとの自由貿易協定部分は日EU・EPAと同様、現在のユンケル政権の任期満了までの発効を目指すものの、投資保護協定部分については、EU加盟28カ国での批准手続きが必要になるとの認識を示唆している。

(前田篤穂)

(EU、日本)

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