スウェーデンのイノベーション力がEUで最高の評価

(EU)

ブリュッセル発

2018年07月02日

欧州委員会は6月25日、2018年版の「欧州イノベーション・スコアボード」を発表した。この文書は、2010年から2017年にかけてのイノベーションに関する人的資源や研究体制、資金・支援経済効果などを指数化した「イノベーション・パフォーマンス指数」によって、欧州と世界主要国の「イノベーション力」を比較分析したものだ。

EU加盟国の中で最も評価が高かったのは、スウェーデンで149.0(2010年のEU平均を100とした値、図参照)。以下、デンマーク(140.1)、フィンランド(136.1)、オランダ(135.9)、英国(128.5)と続いた。また、EU加盟国以外では、スイスが169.4と最も高い数値となった。

図 欧州各国のイノベーション力

また、評価項目別にみると、「人的資源」と「イノベーションを育む環境」ではデンマークが、「魅力的な研究制度」ではルクセンブルク、「資金と支援」ではフランス、「中小企業のイノベーション」と「雇用への影響」「売上高への影響」ではアイルランド、「イノベーションにおける(中小企業間・官民などの)連携」ではベルギーが高く評価された。

欧州委によると、2010年から2017年にかけてEU全体のイノベーション力は5.8%向上し、EU加盟18カ国で改善がみられた。特に、リトアニアとオランダ、マルタ、英国、ラトビア、フランスでは10ポイント以上、オーストリアとアイルランド、スペイン、ベルギー、ルクセンブルク、スウェーデンでは5ポイント以上の改善があったという。

一方、EU域外の主要国との比較(注)では、EUは104.5となり、韓国(129.2)、カナダ(122.5)、オーストラリア(116.9)日本(107.4)、米国(105.2)に後れを取った。また、中国は79.4だったが、2010年から13.4ポイントと大幅な改善を示した。詳細については、「欧州イノベーション・スコアボード」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2018年版を参照。

(注)欧州内と、欧州外の国では指数の算出方法が異なる。

(村岡有)

(EU)

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