米商工会議所、報復関税の影響を州ごとに分析し政権を批判

(米国)

ロサンゼルス発

2018年07月19日

米国商工会議所のトーマス・ドナヒュー会頭は7月16日、トランプ政権が世界中からの輸入に対して課した追加関税が、他国からの報復措置となって米国の人々に跳ね返っているとし、政権を批判した。ドナヒュー会頭は、同会議所が7月2日に公表した他国からの報復関税措置が各州へ与える影響を分析した結果を紹介しつつ、報復関税によって米国の輸出品に関税が課せられることで、米国製品が高価になり、売り上げが減少し、究極的には米国での雇用喪失につながると述べた。

同会議所が公表した分析結果(添付資料表参照)は、米商務省の輸出データを基に、カナダ、メキシコ、EUおよび中国が対抗措置として公表した報復関税対象品目(HTSコード6桁ベース)の輸出額を州別に算出したもの(注1)。これによるとカリフォルニア州は、報復関税の対象となる製品の輸出額が合計56億2,900万ドルだった。同州で貿易によって支えられている雇用者数は486万9,200人、輸出企業数は7万5,722社あり、最も報復関税の影響を受ける可能性がある州の1つといえる(注2)。

今後、中国などとの貿易摩擦で関税対象製品が拡大すれば、各州の輸出への影響はさらに拡大する可能性がある。

(注1)中国の報復関税のうち、対象としているのは7月6日から関税が賦課されているもの(2018年7月9日記事参照)。

(注2)雇用者数、輸出企業数は、報復関税の対象品目に限らず、州の全ての貿易を対象に算出されたもの。

(北條隆)

(米国)

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