労働・社会発展相が交代、文化省を新設

(サウジアラビア)

リヤド発

2018年06月05日

サルマン国王は6月2日、アハマド・ビン・スレイマーン・ビン・アブドゥルアジース・アル・ラージヒー氏を新たな労働・社会発展相として任命した。2016年12月から同相を務めていたアル・ガフィース氏は退任する。

国内では、サウジアラビア人雇用促進政策「サウダイゼーション」を進めているが、サウジアラビア人の失業率は12.8%(2017年第4四半期時点、総合統計庁)と、2016年の12.3%から改善の兆しをみせておらず、閣僚交代により自国民の雇用対策を一層進めるものとみられる。アル・ラージヒー氏は、サウジ商工会議所連盟会頭も務めるなど、民間セクターを代表する人物の一人でもある。サウダイゼーション政策は当地進出の外国企業にとって最大の関心事項でもあり、アル・ラージヒー新労働相の下での今後の政策が注目される。

また、これまでの文化・情報省から文化省を独立させ、初代文化相にバドル・ビン・アブドゥッラー・ビン・ファルハーン・アル・サウード氏を任命した。当地では、バドル氏は改革の推進役であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子に近い人物であるとも目されており、皇太子が力を入れている娯楽分野の発展に加え、文化事業の促進、および並行して進める観光客誘致政策を統合的に進めていく狙いがあるとみられる。

このほかにも、ビジネス関連では、アブドゥッラー国王原子力・再生可能エネルギー都市(KACARE、注)の長官にハーリド・ビン・サーレハ・ビン・アブドゥッラー・アル・スルターン氏を、東海岸などの大規模工業団地を管轄するジュベイル・ヤンブー王立委員会(RCJY)の長官にアブドゥッラー・ビン・イブラヒム・ビン・アブドゥッラー・ビン・サアダーン氏を起用するなどの人事が発表された。

(注)「都市」となっているが、2010年に設立された原子力と再生可能エネルギーの開発を所管するエネルギー・産業・鉱物資源省傘下の組織のこと。

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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