スタートアップ展示会「InnoVEX」に対日投資広報ブース

(台湾)

香港発

2018年06月26日

スタートアップ企業のビジネス拡大を目指す展示会「InnoVEX」が6月6~8日の3日間、台北で開催された。InnoVEXは、1981年以降台北で毎年開催されているアジア最大規模のIT分野の見本市「COMPUTEX TAIPEI」(注)に併催のかたちで、2016年から開催されている。

6月6日の開幕式には、台湾の頼清徳行政院長(首相)が出席し、あいさつで、2月に行政院が策定した「スタートアップビジネス投資環境最適化に向けた行動方案」(2018年3月30日記事参照)に触れ、台湾当局としてスタートアップ企業支援策を強化していく意向を示した。

写真 InnoVEX開幕式であいさつする頼清徳行政院長(ジェトロ撮影)

主催者によれば、InnoVEXの展示会場には21カ国から388企業・団体が出展。海外からの出展企業数が約4割を占め、来場者数は前年比17%増の1万7,687人に上った。ジェトロは対日投資の広報ブースを設置し、対日投資支援への取り組みを紹介するとともに、地方自治体の外国企業誘致策の紹介も行った。

写真 InnoVEX内に設置されたジェトロの広報ブース(ジェトロ撮影)

ジェトロのブースには複数のアクセラレーターが訪れ、台湾のスタートアップ企業による訪日ミッション派遣の意向を示すなど、日本でのビジネス展開への強い関心がうかがえた。

欧州企業はハードウエア面の台湾の強みに注目

海外からの出展で、特に目立ったのは欧州諸国のパビリオンだった。フランスは「フレンチテック」(フランス政府によるスタートアップ企業支援策)の名前で出展。担当者は「フランスのスタートアップ企業の台湾への展開の目的は、フランス企業のアイデアと台湾が強みを持つハードを結合し製品化すること。台湾市場の規模は小さいが、台湾を通じ、参入のハードルが高い中国や日本市場へも参入するきっかけをつかむことができる」と語っていた。

フランスブースに出展したスタートアップ企業は「当社の限られたリソースをソフトの開発に集中させ、製造拠点として台湾を活用していきたい。また台湾を足掛かりとして日本や中国市場への展開も進めていきたい」と話し、ハードウエア面の台湾の強みを活用しつつ、台湾を足掛かりとして中国や日本市場への展開も進める意欲を示した。

(注)主催は台湾貿易センター(TAITRA)および台北市コンピュータ協会(TCA)。2018年は6月5~9日に開催。

(中井邦尚)

(台湾)

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