ザンジバル産クローブの輸出が好調

(タンザニア)

中東アフリカ課

2018年06月05日

タンザニア中央銀行(BoT)の「マンスリーエコノミックレビュー2018年4月号」(5月11日)によると、ザンジバル(島しょ部)の主要産品であるクローブ(丁子、香辛料の一種)や海藻類の輸出が好調で、タンザニアの外貨獲得に貢献した。

ザンジバルの2017年度(2017年4月~2018年3月)の輸出額(財・サービス)は前年度比32.2%増の2億2,980万ドルを記録し、大きく増加した。輸出額の89.5%を占めるクローブと海藻類の輸出が拡大したことが貢献した。特に主要品目であるクローブは、輸出額が前年度の1,790万ドルから5,690万ドルに、輸出量も2,306トンから7,186トンに、それぞれ大幅に増加した。クローブの国際価格は堅調に推移しており、BoTによれば、クローブの1キロ当たり単価は前年度の8.4ドルから8.6ドルに上昇した。

また、海藻類は単価が低下したものの輸出量が増加したことから、輸出額は前年度の196万ドルから373万ドルと、90.6%増加した。他には、タコ、イカ、エビ、ロブスターなどの水産品の輸出も前年度より大きく増加した。

一方で、輸入額も前年度に比べ39.9%増と大きく増加し、2億3,680万ドルを記録した。原油、食品など主要輸入品目の輸入額が軒並み増加した。

2017年(1~12月)の日本の財務省貿易統計によると、日本のクローブ調達先としてタンザニアはモザンビーク、インドネシアに次いで3位となっており、輸入総額の約7%を占めた。クローブは食用のほか、鎮痛剤や芳香剤としても活用される。ザンジバルは古くから貿易の要衝として栄え、香辛料の産地としても有名。クローブの生産や販売を管理するザンジバル貿易公社(ZSTC)はかねて、クローブを活用したエッセンシャルオイルの開発などに取り組んできた(2012年6月28日記事開発輸入企画実証事業PDFファイル(0.0B)参照)。

(小松崎宏之、久保唯香)

(タンザニア)

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