5月の輸出額は前年同月比20.2%増加

(インド)

チェンナイ発

2018年06月26日

インド商工省は6月15日、2018年5月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比20.2%増の288億6,000万ドル、輸入額は14.9%増の434億8,000万ドルで、輸出額は2カ月連続、輸入額は19カ月連続でプラスの伸びとなった。国際的な原油価格の上昇により、主要輸出品目の石油製品、主要輸入品目の原油・石油製品の貿易額が増加した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は146億2,000万ドルの赤字となり、前年同月の138億4,000万ドルから赤字幅が拡大した。

輸出額のうち上位2品目の石油製品、宝石・宝飾品を除くと輸出額は199億4,000万ドルで、前年同月比13.9%増だった。前年同月比で伸びた主な輸出品目は、エンジニアリング製品が14.8%、有機・無機化学品が34.2%、医薬品・精製化学品が25.7%、織物用糸・布地が24.7%などだった。

原油・石油製品の輸入額は49.5%増

最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は115億ドルで、前年同月比49.5%増となった。商工省は、原油の国際価格が前年同月比で50.7%上昇した影響を指摘している。原油・石油製品以外の輸入額は319億8,000万ドルで、前年同月比の6.0%増にとどまった。主な輸入品目では、電子機器が19.9%、機械・器具が30.9%、石炭が17.9%、有機・無機化学品が28.2%、それぞれ増加した。

今後の貿易動向について、インド輸出機関連合(FIEO)のガネシュ・クマール・グプタ会長は「世界的な保護貿易主義の高まりや、米国によるイラン、ロシアへの経済制裁が懸念材料」(「エコノミック・タイムズ」紙6月16日)とした。

(榎堀秀耶)

(インド)

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