2018年通年のGDP成長率予測、2.5~3.5%に上方修正

(シンガポール)

シンガポール発

2018年06月13日

貿易産業省(MTI)は5月24日、2018年第1四半期のシンガポールの実質GDP成長率(改定値)が前年同期比4.4%だったと発表した(表参照)。前期比年率(季節調整済み)では、1.7%となった。分野別では、前年同期比で製造業分野が9.8%増加した。堅調なエレクトロニクス、精密エンジニアリング、化学部門が引き続き製造業の成長を支えた。また、サービス分野は4.1%増だった。一方、建設分野は、公共、民間建設受注の低迷が続いたことから5.0%減となった。

表 シンガポールの実質GDP成長率の推移

MTIは第1四半期のGDPが堅調だったことを受け、2018年通年の成長率予測幅を「前年比2.5~3.5%」と、これまでの「1.5~3.5%」から上方へ修正した。同省は、国際経済が年初来、堅調に推移しており、特に米国経済が最近の税制改正を受けて民間投資が活性化し、成長の加速が期待できると指摘。その上で、「シンガポール経済が、外需の恩恵を受ける部門の成長に支えられ、2018年は堅調な成長のペースを維持する見込みだ」と述べた。

2018年通年の貿易予測は修正せず

一方、エンタープライズ・シンガポールは5月24日、2018年通年の貿易予測を維持した。同国の輸出指標である非石油部門の地場輸出が2018年に通年で「前年比1.0~3.0%増」とし、輸出が大きく回復した2017年の8.8%増から鈍化すると見込んでいる。非石油地場輸出は2018年第1四半期に前年同期比1.1%増となり、エレクトロニクス関連の輸出が減少したのを受け、前期の10.4%増から増加幅が縮小した。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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