欧州委、米の追加関税決定に懸念表明

(EU、米国)

ブリュッセル発

2018年06月01日

欧州委員会は5月31日、米国政府が6月1日からEU原産の鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税を賦課する決定をしたことに強い懸念を表明した。欧州委のジャン=クロード・ユンケル委員長は「これこそ、紛れもない『保護主義』だ」と断じ、WTOなどの国際ルールの範囲内ではあるが、「EUの権益保護のため、米国産品に対する報復措置を取らざるを得ない」との考えを表明した。

欧州委は5月18日、EUとして追加関税賦課の対象とする米国産品のリストをWTOに通告(2018年5月21日記事参照)。米国に対する「相殺措置」と位置付けており、米国からEU向け輸出の多い、自動二輪車、ヨット・娯楽用船舶・スポーツ用船舶、スイートコーン、ピーナツバター、バーボンを含むウイスキーなど、鉄鋼・アルミニウム以外も対象に、6月20日の適用開始を表明している。セシリア・マルムストロム委員(通商担当)も「米国の今回の措置は明らかに国際通商ルール違反だ。WTOの場で紛争解決を図ることになる」とコメントしている。

欧州議会も米国の対応を激しく非難

また、欧州議会国際貿易委員会(INTA)のベルント・ランゲ委員長(ドイツ選出)も5月31日、米国がEU原産の鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税賦課を決定したことを非難する声明を発表し、「WTOルールに明らかに反する今回の(米国による)課税決定に対抗する欧州委員会の姿勢を完全に支持する」「EUとしては直ちに断固とした、しかも適切な対抗措置を講ずる必要がある」とした。

(前田篤穂)

(EU、米国)

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