ウラジオストク商業港運営会社の銀行口座差し押さえに
(ロシア)
モスクワ発
2018年06月29日
モスクワ市裁判所は6月20日、ウラジオストク商業港を運営するVMTPの銀行口座を差し押さえる同市トベリ地区裁判所の決定を支持する判決を下した。5月28日に同地区裁判所がVMTPなどの銀行口座を仮差し押さえていた。口座の差し押さえは、VMTPの親会社FESCOに資本参加している投資会社スンマグループの大株主ジヤブディン・マゴメドフ氏らが、国家予算から25億ルーブルを横領したなどの容疑で3月31日に逮捕されたことに関連している。
業務や支払いに支障ないと発表
VMTPの発表(6月20日)によると、貨物の積み降ろしなどの業務は通常どおり行われ、取引先や従業員への支払いも支障ないという。モスクワ市裁判所の判決についてVMTPは、「当社は法律にのっとって活動する公開企業であり、いかなる違反行為にも関与していない。当社は法手続きに従って上訴する。VMTPの従業員の賃金はウラジオストク市平均の2~2.5倍であり、沿海地方の社会的に重要な地元活動にも貢献している」としている。
VMTPによると、2017年の同港での貨物取扱量は前年比33%増の750万トンとなり過去120年の歴史の中で最高を記録した。20フィートコンテナ換算単位(TEU)では42%増の46万7,940TEUとなった。2018年第1四半期は、前年同期比50%増の240万トン、20フィートコンテナ換算では17%増の11万1,000TEUだった。
VMTPには13の定期コンテナ航路があり、同港からモスクワ含む国内5都市、タシケント(ウズベキスタン)、綏芬河(中国黒竜江省)向けにブロックトレインが運行されている。
(タギール・フジヤトフ)
(ロシア)
ビジネス短信 d8a373dd2f57195a