大手テレビメーカーのスカイワース、3月期は増収減益

(中国)

広州発

2018年06月22日

大手テレビメーカーの創維(スカイワース)(深セン市、香港上場)は6月12日、2018年3月期(2017年4月~2018年3月末)の業績を発表した。売上高は前年比8.0%増の462億6,000万香港ドル(約6,476億4,000万円、1香港ドル=約14円)、純利益は58.7%減の5億4,100万香港ドルだった(表1参照)。純利益は上半期(2017年4~9月末)の1億9,200万香港ドルの赤字からは回復したものの、2年連続で減益となった。

表1 スカイワースの業績推移

海外向けテレビ事業が大幅に落ち込み

主要事業別の利益額をみると、中国向けテレビ事業は前年比17.3%減の7億8,500万香港ドルと、上半期の1億5,000万香港ドルの赤字から大きく改善し、全体の黒字転換の要因となった(表2参照)。スカイワースは回復の理由として、高機能製品への転換が進み平均販売価格が上昇したことを挙げている。販売台数をみると、中国向けは全体で15.8%減だったものの、4Kテレビは1.8%増となった(表3参照)。

一方で、海外向けテレビ事業は78.7%減の9,100万香港ドル、デジタルセットトップボックス(注)・液晶モジュール事業は65.5%減の1億6,600万香港ドルだった。特に、海外向けテレビ事業は、販売台数は14.6%増だったにもかかわらず、利益額は大幅に減少した。

表2 スカイワースの事業別利益額
表3 スカイワースのテレビ販売台数

テレビメーカー全体の今後の見通しについて、2017年上半期はパネル価格の大幅上昇により業績が悪化したが、2018年に入り価格が下落しており、状況は大きく改善するとの見方がある(「毎日経済新聞」6月13日)。

(注)インターネットテレビ、衛星放送などを視聴するための装置。

(河野円洋)

(中国)

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