ミレニアル世代の移住先、西部・南部が人気

(米国)

ニューヨーク発

2018年06月22日

フィンテック企業のスマートアセット(Smart Asset)は6月12日、ミレニアル世代(20~34歳)の移住先として人気のある州や都市に関するレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。2016年の地域間人口転出入に関するデータ(商務省センサス局発表)を用いて、ミレニアル世代の人口純流入者数(転入者数-転出者数)を、50州・217都市圏別に集計した。

州別にみると、ワシントンが3万9,590人と最も多く、次いでテキサス(3万3,650人)、コロラド(2万6,547人)と続いた(表1参照)。また、上位10州のうち5州が西部(ワシントン・コロラド・オレゴン・ネバダ・アリゾナ)、5州が南部(テキサス・バージニア・ジョージア・ノースカロライナ・フロリダ)となった。これら10州は、前回2017年調査(2015年データ)においてもトップ10を占めており、順位に変動はあるものの前回外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと同じ傾向がみられた。

表1 州別にみたミレニアル世代人口の純流入者数(2016年)

都市圏別では、シアトル(ワシントン州)が7,302人と最も多く、次いでコロンビア(サウスカロライナ州)、サクラメント(カルフォルニア州)となった(表2参照)。ピュー・リサーチ・センター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ミレニアル世代は、ベビーブーマー世代(1946~1964年生まれ)が20~34歳だった頃と比べて、大都市圏に住む割合が高いとされている(ベビーブーマー世代:64%、ミレニアル世代:88%)。今回の結果においても、名目GDPが50位以内(全382都市圏中)の都市圏が上位となった。

表2 都市圏別にみたミレニアル世代人口の純流入者数(2016年)

一方で、同センター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ミレニアル世代はリーマン・ショック後の不景気の中で就職期を迎え、住宅購入に十分な収入をまだ得られていないことに加えて、住宅保有に関する嗜好(しこう)が変化していることなどから、ベビーブーマー世代が同世代だった頃と比べて持ち家に住む比率が低いとされている(ベビーブーマー世代:41%、ミレニアル世代:35%)。

今回のレポートで上位になった都市圏は、例えばニューヨーク(名目GDP1位、家賃中央値9位、月家賃中央値3,000ドル)、ロサンゼルス(名目GDP2位、家賃中央値8位、月家賃中央値3,100ドル)、サンフランシスコ(名目GDP7位、家賃中央値5位、月家賃中央値3,300ドル)といった大都市圏と比べると、名目GDPが小さく、家賃も安い都市圏となっている。

なお、ミレニアル世代の人口は2019年に約7,300万人まで増加し、ベビーブーマー世代の人口を抜くとの予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますもある。

(権田直)

(米国)

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