日本との貿易総額は30億ドル規模を維持

(イスラエル)

テルアビブ発

2018年06月06日

日本の財務省貿易統計によると、2017 年の対イスラエル輸出は前年比3.9%減の19億2,288万ドル、輸入は12.4%減の11億2,779万ドルで、収支は前年の7億1,356万ドルから7億9,508万ドルに黒字幅が拡大した。貿易総額はおよそ30億ドルを維持した。

日本の輸出は2年連続で20億ドル規模

対イスラエルの輸出は前年比で微減となったものの、2016年に急増(前年比71.3%増)した20億ドルの水準をほぼ維持している。

輸出を支えたのは2016年以降好調な半導体など製造装置(構成比35.1%)で、6億7,505万ドル(前年比13.6%増)だった。これは、世界的に旺盛な半導体需要を背景に、イスラエルの半導体製造工場で設備更新・増設が続いたものと考えられる。インテル工場向け、またイスラエル国内のインテルのサプライヤー向けの取引が増加しているようだ。(添付資料の表1参照)。

一方、半導体など製造装置に次ぐ主要品目である乗用車(構成比31.9%)は、前年比13.5%減の6億1,306万ドルと減少額が大きかった。なお、当地の日系自動車ディーラーによると、イスラエル国内で販売される乗用車の7割程度は欧州および周辺国の工場で生産されたものという。なお、乗用車その他の自動車(HS8703)についてイスラエル輸入統計を国別にみると、日本からの割合は14.17%でトップ、次いで韓国(12.50%)、チェコ(11.59%)、ドイツ(10.30%)、トルコ(10.19%)と続く。これら5カ国からの輸入割合(金額ベース)は合計で58.75%となる。

半導体など電子部品の輸入減が続く

輸入の減少は電気機器(2億7,610万ドル、構成比24.5%)が前年比41.5%減と低迷した影響が大きい。これは、電気機器(21.6%を占める半導体等電子部品)のICが79.1%減の6,024万ドルとなったことが主因。半導体等電子部品(IC)は、2014年以降落ち込みが続いている(添付資料の表2参照)。

日本の中東主要6カ国向け貿易をみると、輸出入ともにイスラエルは4位(人口は883万人)となっている。イスラエルへの輸出はサウジアラビア(人口:約3,200万人)、トルコ(人口:約8,000万人)よりも少ないが、人口などを考慮すると少ないとはいえない。イスラエルからの輸入は、エネルギー産出国との比較を考慮するとサウジ、アラブ首長国連邦(UAE)、イランには劣るものの、イラクとトルコよりも大きい(添付資料の表3参照)。

なお、貿易総額では、サウジ、UAE、イラン、トルコに次いで、5位となる。

(余田知弘)

(イスラエル)

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