ヒューストンの船舶用燃料油にフェノール化合物混入

(米国)

ヒューストン発

2018年06月04日

船舶用燃料油の品質検査会社ベリタス・ペトロリアム・サービス(VPS)は5月30日、ヒューストン港で燃料給油した複数の船舶において、燃料から300~1,000ppmという高濃度の4-クミルフェノールが検出されたと発表した。2018年2月以降、同港で燃料給油した船舶で燃料ポンプのプランジャーが固着するなどのトラブルが頻発しており、同社は2018年4月26日付で注意喚起文書を発出していたが、その後の燃料油サンプルの分析結果から明らかになった。

4-クミルフェノールは、船舶燃料の品質基準であるISO8217に基づく燃料油の試験方法では検出されない物質で、今回はガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)を用いて検出したもの。同社は同物質に粘着性がある点を指摘している。

また、この発表を受けて、エネルギー関連情報配信社S&Pグローバル・プラッツは5月30日、複数の情報源の話として80隻以上の船舶に影響が出ており、一部の船舶には大きな被害も出ているが、4-クミルフェノールが混入した燃料の供給元は不明だと報じている。

(中川直人)

(米国)

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