政府、CPTPP実施法案を下院に提出

(カナダ)

トロント発

2018年06月18日

連邦政府は6月14日、包括的および先進的環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP、いわゆるTPP11)について、実施法案を下院に提出したと発表した。CPTPPは、参加国のうち少なくとも6カ国が批准手続きを完了してから60日後に発効するが、国際貿易省報道官は「カナダは最初の6カ国に入る予定」と述べた。

同法案は、与党自由党だけでなく、TPPの交渉を進めてきた前政権与党の保守党も早期の審議を目指して議会内で働き掛けを行っていた。一方、野党の新民主党(NDP)は、製造業と農業分野での失業の原因となるとして反対している。CPTPPを支持するカナダ農産食品貿易連合(CAFTA)は、「関税引き下げを最大限に活用するために、カナダは第1波の国、つまりCPTPPを批准する最初の6カ国の中にいるべきで、そうでなければ、重要なアジア太平洋地域における競争力を不必要に低下させることになるだろう」とのコメントをウェブサイト上で公開しており、議会が夏季休暇に入る前に承認することを求めている。フランソワ・フィリップ・シャンパーニュ国際貿易相は「カナダの貿易多様化を進めるかつてない絶好の機会」と語り、CPTPPの審議を早期に進めたい考えだ。

ちなみに、メキシコは既に手続きを完了、日本は衆参両院で承認されており、ニュージーランドも2018年末までの批准を目指している(2018年5月31日記事参照)。

(江崎江里子)

(カナダ)

ビジネス短信 b613fae4464be1a5