通関申告費に上限を設定、年間約90万件の輸出入貨物が恩恵
(香港)
香港発
2018年06月22日
香港の立法会(議会に相当)は6月20日、香港特別行政区政府(以下、香港政府)が提出していた「輸出入(登記)条例」の改正案を可決した。8月1日から施行される。
これにより、香港に輸出入される貨物について、通関申告(注)時に香港税関が徴収する通関申告費(declaration charge)の上限が200香港ドル(約2,800円、1香港ドル=約14円)に設定され、付加価値額が164万4,000香港ドルを超える貨物の輸出入に際しての申告費用が引き下げられる(表参照)。
通関申告費の調整を盛り込んだ輸出入(登記)条例が可決したことを受け、香港商務経済発展局の邱騰華局長は「通関申告費の上限設定は、香港の貿易・物流業界に直接的に寄与する。関係業者の輸出入コストの低減を通じ、業界の高付加価値化を図ることができる。加えて、香港における高付加価値貨物の貿易・保管・物流・流通業務の発展にも資するほか、香港の貿易ハブとしての地位をより強固にできる」と、可決を歓迎するコメントを発表した。
香港政府によると、今回の措置により、香港に輸出入される貨物のうち、年間90万件の貨物の通関申告費の軽減につながるという。
(注)香港では、貨物の輸出入後14日以内に税関に対して通関申告を行うことが義務付けられている。
(中井邦尚)
(香港)
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