中国との資金協力が加速、NBUが相次ぎ融資協定締結

(ウズベキスタン)

タシケント発

2018年06月20日

中国の山東省青島市で6月9~10日に開催された上海協力機構(SCO)サミットを機に、ウズベキスタンと中国の資金協力に弾みがついている。

報道によると、ウズベキスタン対外経済活動銀行(NBU)はサミットに先立つ6月5日、中国輸出入銀行(以下、中国輸銀)との間で新たに5億ドルの融資協定を締結した。これは外国為替改革による事業環境の好転を受け、中国輸銀としては初のウズベキスタン政府の保証を要しないクレジットラインの開設となる。中国輸銀は2004年からNBUを通じ、医療、教育、通信、農業、電力、石油・天然ガス、輸送などの分野で総額約12億ドルに及ぶ28の政府保証付き主要案件に対して融資実績がある。

NBUは6月5日、中国国家開発銀行(CDB)との間でも2億5,000万ドルの融資協定を締結した。同行とは2006年から、5つのクレジットライン開設により観光、製薬、建材、繊維、農業など450件以上の案件に対して融資実績がある。今回の協定でも、大規模案件以外に中小企業向けや、輸入代替および輸出型企業向け高度産業機械導入のための融資が行われる見通しだ(インターネットメディア「podrobno.uz」6月5日)

これら以外にも、ウズプロムストロイバンク(産業建設銀行)と中国工商銀行の間で、中国企業が参画する案件向けのクレジットライン開設に係る包括協定が締結されたほか、中国が2014年、「一帯一路」構想の具体化のために設立した政府系投資ファンド「シルクロード基金」とNBUとの間で、新たな観光振興の拠点として「サマルカンドシティ」建設計画に関する相互理解の覚書(MOU)を締結した(インターネットメディア「uzreport.news」6月6日)。

(下社学)

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