米国税関、航空貨物事前検査を本格施行

(米国)

ロサンゼルス発

2018年06月13日

米国の税関国境保護局(CBP)は6月12日、航空貨物事前検査(ACAS)プログラムを本格施行した。航空機に貨物が積載される前に貨物情報を税関に提出させることで、危険度の高い航空貨物が米国に運ばれないよう、リスク軽減を図る。

2010年10月にイエメン発米国向けの航空貨物から爆発物が発見されたことを機に、同年12月からACASが試験的に導入されていた。初期は宅配業者を対象に開始され、その後、旅客輸送航空会社、貨物取扱業者、重量物運搬航空会社など段階的に対象が拡大されてきた。

CBPへの提出が求められるデータは、荷主名と住所、荷受人名と住所、貨物の詳細、総数量、総重量、航空運送状番号だ。提出が求められる主体は米国行き貨物を運搬する航空会社だが、貨物について直接、知識を持ち、より早く正確なデータ提出が可能な場合には、貨物取扱業者など他の当事者による提出も認められている。不正確なデータの提出やデータ提出遅延などの違反については、損害賠償請求を受ける可能性もある。

CBP局長のケビン・マカリーナン氏は「ACASは、合法的な商取引を促進しながら、CBPが不正な禁輸品の流入を防止するために不可欠なものだ。運送業界や航空貨物業界と連携してつくられ、課題解決への官民の協働の取り組みを代表するものだ。ACASの本格化は今後の小規模小包や航空貨物業界の安全強化に資するだろう」と述べた。

ACASに関するFAQPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)はCBPのサイトで見ることができる。

(北條隆)

(米国)

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