OECDがコロンビアの加盟を承認、中南米では3カ国目

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年06月05日

フアン・マヌエル・サントス大統領は5月30日、パリにあるOECD本部を訪れ、世界で37カ国目、中南米ではメキシコ(1994年)、チリ(2010年)に次ぐ3カ国目の加盟国として、OECDのアンヘル・グリア事務総長とともに覚書に署名した。今後、国会での批准プロセスを経て加盟が実現することになる。

2011年にサントス大統領はOECD加盟への意欲を示し、2年後の2013年にコロンビアの加盟申請が正式に受理された。以来、OECDの23の委員会はコロンビアの社会情勢や経済状況をみながら、評価および提言を行ってきた。政府はこれらの提言に基づき、格差や貧困対策、環境保全、労働環境の改善など多岐にわたるテーマに取り組んできた。

加盟に当たりサントス大統領は、この7年間でこうしたテーマへの取り組みは意義ある変化をコロンビアにもたらしたと述べ、OECDへの加盟は大変な名誉である以上に、非常に大きな責任を伴うものでもあると述べた。

また、OECDのグリア事務総長は、コロンビア経済は原油価格の上昇に伴い、2017年後半から回復の兆候を示しており、インフレ率の低下や経常収支赤字の減少、法人税の引き下げや原油価格上昇が外国投資増加への追い風となること、国内消費の回復や輸出の増加など、コロンビア経済の堅調さについて言及した。一方、2019年に向けて失業率は9.2%まで低下していく見込みだが、インフォーマルセクターと格差については依然として高い指標であることも指摘した。

コロンビア産業連盟(ANDI)は、OECDの一員となることで、国の経済および社会は継続して発展し、海外投資家からの注目も集めるようになるだろうと歓迎するコメントを発表した。

中南米初のNATOのグローバル・パートナーに

5月31日、サントス大統領は訪問先のブリュッセルにて、コロンビアがNATOのグローバル・パートナーになったことを発表した。現在のグローバル・パートナーは日本、韓国、モンゴル、オーストラリア、ニュージーランド、アフガニスタン、イラク、パキスタンの8カ国で、コロンビアは中南米で初めてのグローバル・パートナー国となる。今後、サイバーセキュリティー、地雷除去、平和と安全における女性の役割の促進といったテーマを含む、さまざまな分野に協力して取り組んでいく。

OECD加盟国、そしてNATOのグローバル・パートナーといった地位を得て、今後国際社会の信頼を確実なものとし、さらなる治安の改善や外国投資の呼び込みなどが期待される。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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