ケジャベコ銅鉱山プロジェクトに三菱商事が増資

(ペルー)

リマ発

2018年06月27日

三菱商事が2012年以降、アングロアメリカンと共同出資してきたケジャベコ銅鉱山の権益を、2018年6月15日付で21.9%(5億ドル相当)追加取得することで合意し、自社持ち分を40%に拡大することになった。株式取得の時期は2018年第3四半期を見込み、同年後半から建設に着手し2022年の生産開始を目指す計画だ。

開発投資額55億~60億ドルに上る大規模プロジェクト

ペルー南部モケグア州のケジャベコ銅鉱山は750万トン(銅分換算)の埋蔵量が見込まれ、年間生産量は約30万トン(生産開始後10年間の平均)、生産期間は約30年、開発投資額は55億~60億ドルに上る大規模プロジェクトだ。三菱商事は、2012年に同鉱山の開発を進めるアングロアメリカンケジャベコの株式18.1%を取得したが、その後の銅価低迷などで鉱山開発は遅延していた。同社によると、昨今の中長期にわたる銅需要の拡大見通しを受け、株式を追加取得し、年産12万トン(銅分換算)に持ち分生産量を増やすこととしたという。

なお、鉱石処理能力が日量15万トンに達した時点で5,000万ドル、日量18万トンに達した時点でさらに5,000万ドルと合計1億ドルの追加支出をする計画で、最終的には6億ドルの投資となる予定だ。三菱商事は、2017年に44万トンを生産し国内3位の生産量を誇るアンタミナ鉱山(BHPビリトンおよびグレンコア・エクストラータ)に1999年から10%出資しており、同鉱山に続く重要なプロジェクトとなる。

拡大を続ける日本企業による銅生産

ペルーの銅生産は、2016年の235万トン(前年比38.4%増)から2017年には245万トン(3.9%増)と拡大した。拡大の要因には、設備拡張で国内最大規模となる50万トンの生産量に達したフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド(米国)と、住友金属鉱山(出資比率:16.8%)および住友商事(4.2%)が出資するセロベルデ銅鉱山がある。また、2018年6月21日付で住友商事が、ニューモント(米国)およびブエナベントゥーラ(ペルー)保有のペルー北部ヤナコチャ金・銅鉱山の株式を5%取得し、増産を目指すと発表した。さらに、三菱マテリアルが20%出資するテックリソーシーズ(Teck Resources、カナダ)開発のサフラナル銅鉱山(年産7万5,000トンの見込み)が2021年の生産開始を予定しており、銅産業のさらなる活性化が期待される。

(藤本雅之)

(ペルー)

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