福建省、台湾人材への助成金など66条の措置を発表

(中国、台湾)

広州発

2018年06月13日

福建省政府は6月6日、「『両岸経済・文化の交流・協力促進に関する若干の措置』貫徹のための実施意見」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。両岸(中国と台湾)の交流・協力促進のため、2月28日に中国政府が発表した「両岸経済・文化の交流・協力促進に関する若干の措置」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますについて、具体的な実施内容を66条にわたり定めたもの。福建省・台湾の経済・貿易協力の拡大、台湾人の福建省での実習・就業・起業への支援、福建省と台湾の文化交流の深化、台湾人の福建省での居住の利便化について、以下のような内容が記載されている。

「福建省と台湾の経済・貿易協力の拡大」については次のとおり。

  • 台湾企業が福建省で研究開発プラットフォームを設立した場合、条件を満たしたものについて機器・設備の新規投資額の30%を助成する。研究開発組織が法人格を持つ場合は最高2,000万元(約3億4,000万円、1元=約17円)、非法人の場合は最高1,000万元を助成する。
  • 台湾企業が福建省の高速道路、軌道交通、港での運輸、都市河川整備、ごみ・汚水処理、公共の駐車場、ガス供給などの公共サービスへ参入することを許可する。

「台湾人の福建省での実習・就業・起業への支援」については次のとおり。

  • 台湾居住者の実習・研修を行う組織について、福建省での実習・研修時間が連続して15日以上の場合、1人当たり5,000元の補助金を支給する。
  • 人材仲介組織などを通じて福建省で就業する台湾人の博士、修士、本科卒業生は、それぞれ30万元、20万元、10万元の奨励金を支給する。関連の訓練、職業マッチング、生活補助などの支援を1年間行う。

「福建省・台湾の文化交流の深化」については次のとおり。

  • 台湾からの書籍輸入について、審査過程を簡素化する。台湾人が多く住むエリアに「台湾書店」を設立する。
  • 福建省と台湾が共同制作した映画やテレビ作品の主要製作者の(両地域の)比率、中国的要素、投資比率などの制限を緩和する。

「台湾居住者の福建省での居住の利便化」については次のとおり。

  • 「台湾居民来往大陸通行証」(注)の身分証明書としての使用を認める。同通行証の電子化を進め、中国人の身分証明書と同様に使用できるようシステムの整備を進める。
  • 台湾居住者の子女が福建省で義務教育課程に進む場合、居住地の教育主管部門が就学を手配する。福建省の高等教育機関の台湾人学生の入学募集を支援し、毎年、入学募集人数を増加する。

(注)中国政府が台湾居住者に対して発行する通行証。台湾居住者が中国へ入境する場合に使用される。中国と台湾を直接移動する場合、パスポートは使用されない。

(河野円洋)

(中国、台湾)

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