7月30日に新政権発足後初の総選挙
(ジンバブエ)
ヨハネスブルク発
2018年06月01日
エマーソン・ムナンガグワ大統領は5月30日、総選挙を7月30日に実施すると発表した。37年間の長期政権を率いたロバート・ムガベ大統領が2017年11月に辞任し、誕生したムナンガグワ新政権にとって初めての総選挙で、大統領のほか、国会議員、地方議会議員の直接投票が行われる。
公正な選挙の実施がカギ
総選挙は5年に1度実施される。過去の大統領選では国軍による野党支持者の弾圧や、選挙の不正操作などが度々報じられ、同国の選挙に対する国際社会の不信感も依然として強く残っている。2008年には最大野党・民主改革運動(MDC)のモーガン・チャンギライ党首(2018年2月死去)がムガベ氏を抑えて勝利した時も、国軍は武力で権限移譲を阻止し、再投票を実施してムガベ氏を当選に導いたこともあり、引き続き国軍色が強い新政権に対する国民の不信感は根深い。
外国投資をてこにジンバブエ経済の再生を進めていくことを公約しているムナンガグワ大統領にとっては、公正かつ透明な選挙の実施を通じた信頼回復が一層求められる一方で、野党票を伸ばしかねないというジレンマを抱える。主にムガベ前政権時代に国外へ移住した数百万人に上るジンバブエ人海外労働者の在外投票が認められていない点も大きな議論となっている。
(高橋史)
(ジンバブエ)
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