新内閣スタート、首相はじめ13人が交代

(エジプト)

カイロ発

2018年06月18日

アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領の2期目が6月1日にスタートし、新内閣発足が注目されていたが、体調不良が長引いていたシェリーフ・イスマイール首相が辞任、首相代行を務めていたモスタファ・マドゥーリー住宅相が6月6日、新首相に任命された。新首相は組閣に着手し、14日、大統領が新内閣を承認した。

新内閣について、当地報道は、ほとんどの閣僚が交代するとの見方だったが、交代は首相を含め32のポストのうち13ポストにとどまり、外務、法務、投資・国際協力、観光の主要閣僚は留任となった。第1期エルシーシ政権を4年にわたり支えた内務相や国防相が交代となり、シナイ半島や「イラクとシャームのイスラム国(ISIS)」対策など国家安全保障への取り組みを強化する狙いがあるとみられる。なお、新首相は住宅相を兼任する。

副財務相から昇格したモハメド・マート財務相は、2011年の革命以来、経済の安定化に貢献したと評価された。2017年以降、IMFにより導入された経済改革プログラムを遂行する上で中心的な役割を担い、ガソリンの補助金削減、付加価値税の導入、為替の自由変動相場制導入など推進してきた。

2017年12月に訪日したサハル・ナスル投資・国際協力相は、世界銀行やIMFなど国際機関との強いパイプを持つ手腕を評価され、留任となった。ムハンマド・シャーキル電力相も留任となった。また、エジプト輸出評議会の事務局長を務めたアムール・バユーミ氏が、貿易産業相に任命された。その他、通信、農業、民間航空、環境、地方開発、公共事業に新しい閣僚が任命された。

(常味高志)

(エジプト)

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