IT展示会CEBITに参加、日本の技術力を発信

(ドイツ)

ベルリン発

2018年06月27日

ジェトロは、6月12~15日にドイツ・ハノーバーで開催されたITビジネス分野の世界最大級展示会「CEBIT(セビット)2018」に2年連続で参加し、日本の中堅・中小企業の技術力の高さを世界に向けて発信した。

CEBITはこれまで3月に開催されていたが、2018年から6月に変更、さらに見本市自体のコンセプトも刷新した。展示会開催時間の終了後には、出展者や来場者が屋外展示のエリアに集まってミュージシャンによる演奏を楽しみながら交流するなど、見本市の機能にフェスティバルの要素を組み合わせることで、ネットワーキングの促進に重きを置いたことが大きな変更点だ。

ジャパンパビリオンは、「ビジネスと公共部門のデジタル化」をテーマに新設された「d!conomy」エリア内に設置。パートナーカントリーとして大規模出展した2017年から継続出展となった6社および初出展となる14社の計20の企業・団体が参加した。このうちスタートアップを含む中小企業の割合は前回と比べ約2倍の8割にも達した。

ネクステック(北海道)は、ソーラー式無線LANアクセスポイント兼中継機「ポジモ」を出展した。同社は初めての海外輸出を狙ってCEBITに参加。製品販売担当部長の高橋健人氏は「ポジモは屋外で電源が確保できない場所でも、簡単にWi-Fi環境を構築できることが特徴。会期中に中東やアフリカなどの販売代理店と商談することができ、今後につながる出展となった」と期待を示した。

スタートアップ企業が出展するエリア「scale 11」に単独出展したゼノマ(Xenoma)は、布上に電気回路を形成する同社の技術(Printed Circuit Fabric)を活用し、身体の動作や体表面温度、心電などを確認できるシャツ「e-skin」を展示、来場者から高い関心を集めた。同社ビジネスプロデューサーの小西亮平氏は「scale 11には、新しいアプリケーションやサービスの事業化を目指して、革新的な技術を探し求める企業や研究者が来場した」と話した。

なお、CEBIT 2018では展示だけではなく、カンファレンスプログラム(d!talk)も注目を集め、ジェトロは会期初日(6月12日)に「ランドスケープ・イン・ジャパン」をテーマに、外国企業に日本のエコシステムを伝えるトークイベントを実施した。

写真 ジャパンパビリオンに出展したネクステック(ジェトロ撮影)
写真 scale 11に単独出展したゼノマ(ジェトロ撮影)

(望月智治)

(ドイツ)

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