第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比3.6%

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年06月25日

国家統計センサス局(INDEC)は6月18日、2018年第1四半期の実質GDP成長率が前年同期比3.6%、前期比1.1%となったことを発表した。産業分野別GDPをみると、生産部門では建設業(前年同期比9.7%増)、漁業(6.2%増)、製造業(3.5%増)の伸びが目立った(表参照)。主力産業である農業・牧畜・狩猟・林業(0.2%増)は干ばつの影響による大豆の不作が影響した。また、サービス部門では商業(大手・零細)・修理(6.2%増)や金融仲介(5.4%増)など、おおむねプラス成長となった。

表 四半期別の実質GDP成長率〔前年(同期)比〕

需要要素別でみると、個人消費支出は4.1%増と、2017年第2四半期以降、前年同期比4%超の成長を続けている。総固定資本形成は18.3%増と2017年第3四半期以降の2桁成長を維持した。

実質GDP成長率は2017年第2四半期以降、4期連続で前年同期比3%を超える安定した伸びを記録しているが、4月、5月の大幅な通貨下落と政策金利の急上昇による影響で第2四半期以降は変調が見込まれる。2018年初には通年のGDP成長率は3%周辺と予想されていたが、6月に入ってニコラス・ドゥホブネ財務相は「控えめにみて0.4%、高くても1.4%」と発言するなど、年後半に向けて厳しい経済情勢が予想される。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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