商務省、鉄鋼関税で42件の製品別適用除外を発表

(米国)

ニューヨーク発

2018年06月27日

米商務省は6月20日、1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づく、鉄鋼に対する追加関税の製品別適用除外申請(注)について、42件を認可し、56件を棄却したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。トランプ政権が、232条の関税賦課に関する製品適用除外の認定を発表したのは今回が初めて。製品別適用除外は、米国の国内製品の品質や供給量が十分でない品目などを対象に認可される。

適用除外は申請書記載の輸入量などに限定

適用除外が認定されたのは、7社による申請だ(表参照)。

表 製品別適用除外の認定案件

認可件数は42件あるが、製品のサイズなど仕様により申請が分かれているため、認定品目は各社とも1つのHTSコード(10桁)に収まる製品群にとどまっている。また、追加関税が免除されるのは、各社が申請書で記した輸入量・製造国・輸出企業からの輸入に限定される。さらに、適用除外の有効期間は原則1年間となっている。

切削工具・産業用ロボットメーカーの不二越の米国子会社(Nachi America)は、日本の不二越製の合金鋼フラットロール製品の輸入が関税賦課の対象外に認定された。ガスケットやパッキンを製造する日本リークレス工業の米国子会社(U.S. Leakless)にも、同社が調達するフラットロール製品の輸入の除外が認められた。

そのほか、日本企業が関係する取引としては、かみそり製造大手シック・マニュファクチャリング(Schick Manufacturing)が日本の日立金属から調達するステンレス製の刃や、ポリビジョン(PolyVision)がホワイトボード製造用にJEFスチールから調達する鋼板の輸入が認められている。

アルミニウムも含めた申請件数は2万件以上

ウィルバー・ロス商務長官は6月20日に行われた上院財政委員会の公聴会で、鉄鋼とアルミニウム合わせて2万件以上の適用除外申請が商務省に寄せられていると発言している。アルミニウムに関する適用除外の発表はまだ出されておらず、今回審査結果が出た案件は全体の0.5%に満たない。

(注)製品別適用除外プロセスの詳細については2018年3月22日記事参照

(鈴木敦)

(米国)

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