RBIが政策金利を6.25%に、4年4カ月ぶりの利上げ

(インド)

ニューデリー発

2018年06月19日

インド準備銀行(RBI)は、6月4~6日に開催された金融政策決定会合において、政策金利(レポレート)を現行の年6.00%から0.25ポイント引き上げ、年6.25%にすることを決定した。政策金利の引き上げは2014年1月以来で、約4年4カ月ぶり。

今回の利上げ決定についてRBIのウルジット・パテル総裁は、物価上昇率が6カ月連続で中期目標の4%を上回るなど、インフレ見通しが予想を上回ったことが背景にあるとした。食料品や燃料を除く分野でインフレが加速したことで、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比4.6%となり、3月の4.3%を上回った。また、原油価格も4月以降、1バレル当たり66ドルから74ドルの水準まで上昇しており、インフレを加速させる懸念材料となっている。これを踏まえ、RBIは2018年度のCPI上昇率の見通しを上半期4.8~4.9%(前回予想4.7~5.1%)、下半期4.7%(前回予想4.4%)に修正した。

2018年度のGDP成長率を7.4%と予測

RBIは、中央統計局(CSO)が2017年度第4四半期(2018年1~3月)の成長率(推計値)を7.7%、2017年度成長率(推計値)6.7%と発表したことを受け、足元の経済が回復基調にあることを強調した。また、製造業分野については、設備稼働率が改善傾向にあること、国内の新規受注や輸出の拡大に伴い購買担当者指数(PMI)も拡大基調にあり、今後の投資活動は堅調に推移するとした。さらに、2018年のモンスーン期の雨量が例年並みと予想されていることを踏まえ、農業分野においても好調を維持すると予想した。RBIは2018年度のGDP成長率予測を、上半期7.5~7.6%、下半期7.3~7.4%とし、通期では7.4%の予測を据え置いた。

(山本直毅)

(インド)

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