サッカーW杯、代表戦の時間帯は7割以上の職場で勤務免除

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年06月28日

サッカーが国民的スポーツであるブラジルでは、ロシアでのワールドカップ(W杯)開催期間中、ブラジル代表の試合がある時間帯は、官公庁、企業ともに職員や従業員に業務への従事を免除する対応を取ることが一般的だ。

ブラジル日本商工会議所が2018年6月に実施した会員企業への「2018 FIFA ワールドカップ企業対応」アンケート(注)調査結果(アンケート対象企業数348社、回答企業数139社、回答率40%)によれば、「会社内にテレビを設置し、勤務時間中の観戦を認める対応」もしくは「試合のある時間帯(午前もしくは午後)の退社を認める(半日出勤)対応」の回答率は、工場の場合は前者が50%、後者が26%、工場でない事業所の場合、両方の回答率が同率で36%という結果だった。試合のある日は「全員休日」とする回答率は、工場で4.2%、工場でない事業所で1.6%となっている。つまり職場の7割以上で、試合中は実質的に勤務しない対応を取っていることが分かる。

W杯期間中の職場の対応は法律で定められているわけではなく、あくまで慣習として認識される。労働法に詳しい当地弁護士によれば、官公庁や企業で個別に職員や従業員と事前に合意した上で勤務を免除するケースが多いが、一部の企業では後日、別の勤務時間に振り替え、相殺するケースもあるとしている。しかし、職場にテレビを設置して観戦を認めるといった、実質的に職場に出勤している場合は、後日の振り替えをせずに勤務免除の対応を取るところが多いという。

ブラジルは当地時間6月27日にセルビアに2対0で勝利し、グループEを1位通過した。決勝トーナメントでは7月2日にメキシコ戦があり、それに勝利すれば準々決勝が7月6日、準決勝は7月10日、決勝は7月15日という日程となっている。

(注)ブラジル日本商工会議所のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「2018 FIFA ワールドカップ企業対応」アンケートの調査結果を閲覧できる。

(二宮康史)

(ブラジル)

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