カナダ政府、新たな検疫条件での日本産リンゴ生果実の輸入解禁

(カナダ、日本)

トロント発

2018年06月12日

日本の農林水産省は6月8日、カナダとの植物検疫協議の結果、園地での病害虫発生調査など複数の措置を組み合わせた新たな輸出植物検疫条件を満たすことにより、カナダが日本産リンゴ生果実の輸入を解禁したことを公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

カナダは日本産リンゴ生果実について、同国が侵入を警戒する病害虫が日本で発生していることから、収穫までの袋かけ、または収穫後に行う殺虫処理(臭化メチルくん蒸、または臭化メチルくん蒸および低温処理)などの一定の植物検疫条件を満たしたもの以外の輸入を禁止していた。一方、日本国内の産地からは、袋かけや殺虫処理を不要とする、輸出に取り組みやすい条件への変更要望が農林水産省に寄せられ、両国の植物検疫当局が技術的協議を積み重ねた結果、以下の新たな検疫条件による日本からの輸出が可能となった(注)。

  • 生産園地の登録(検疫対象病害虫の全てに対する発生予察を実施している県内に所在していること)
  • 登録生産園地での病害虫発生状況の調査(6月から収穫期まで2週間に1回、実施者は植物防疫官または検査補助員)
  • 植物防疫官による収穫前の登録生産園地の検査
  • 収穫時の異常果実の除去
  • 選果梱包(こんぽう)施設の登録、選果指導員の配置
  • 各梱包への表示(トレーサビリティーの確保)
  • 輸出検査

なお、カナダ食品検査庁によれば、本検疫条件で輸出される商品には、以下の文言(ジェトロ仮訳)を含む植物検疫証明書を添付する必要があるという。

「この受託品の果実は、農林水産省およびカナダ食品検査庁のシステムズアプローチの要件を満たし、検査の結果、リンゴコカクモンハマキ、オウトウハダニ、モモシンクイガ、モモノゴマダラノメイガ、スモモヒメシンクイ、リンゴコシンクイ、ナシヒメシンクイ、リンゴ灰星病菌、リンゴモニリア病菌、リンゴ灰星病菌の一種、スピロノタ属、キイロマイコガの発見がなかったものである」

(注)検疫条件は概要。詳細はカナダ食品検査庁ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(飯田洋子)

(カナダ、日本)

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