1~4月の自動車販売台数、前年同期比21.3%増

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年05月09日

全国自動車製造業者協会(Anfavea)は5月7日、2018年1~4月の自動車(乗用車、軽商用車、バス、トラックの合計)関連統計を発表した。生産は前年同期比20.7%増の96万5,865台、販売は21.3%増の76万2,875台、輸出は7.5%増の25万3,359台といずれも増加した。経済回復傾向を裏付けたかたちだ。

乗用車と軽商用車のメーカー別販売台数は表のとおり。ゼネラルモーターズ(GM)、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)、フォルクスワーゲン(VW)、フォードのいわゆるビッグ4が高いシェアを有している。シェアは主にVW、フォードの販売増の影響で57.8%(前年同期0.6ポイント上昇)となった。一方、日系の合計シェアは19.9%(0.8ポイント低下)となった。

表 メーカー別自動車販売台数(新車登録ベース、乗用車+軽商用車)

シェアは低くもハイブリッド・電気車の販売台数7割増

燃料別自動車販売台数シェア(乗用車、軽商用車のみ)では、フレックス車(注1)が87.8%を占め、以下、ディーゼル車(8.6%)、ガソリン車(3.4%)、ハイブリッド・電気車(0.2%)と続く。ハイブリッド・電気車は、シェアは低いが販売台数(1,260台)は前年同期比70.7%増加した。なお、輸入自動車(注2)の販売台数は前年同期比30.2%増の9万630台で、販売台数に占める割合は11.9%と前年同期に比べ0.8ポイント上昇した。

待たれる新たな自動車政策「ルート2030」発表

2017年末に終了した自動車政策(イノバール・アウト)にかわり、新たに「ルート2030(Rota 2030)」と称される自動車政策が発表される見込みだ。マルコス・ジョルジ商工サービス相は5月5日付「フォーリャ・デ・サンパウロ」紙への寄稿文で、「新政策では、わが国で生産される自動車の安全性、組み込み技術、エネルギー効率向上のための目標、規則を定める」と述べた。同相は、また新政策では前政策同様、研究開発投資を呼び込むため税的インセンティブを用意すると示唆。その規模は最大で15億レアル(約480億円、1レアル=約32円)で、同恩典付与条件として最低50億ドルの研究開発投資が必要との見通しを語るなど、高い費用対効果を狙う考えを示した。また産業競争力引き上げのため研究開発投資を促す必要性があり、そこに新政策の役割があると強調した。

(注1)エタノール、ガソリン両方の燃料が使用可能な車。

(注2)乗用車、軽商用車、バス、トラック合計台数。

(二宮康史)

(ブラジル)

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