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知財に関する刑法の改正ポイントを解説

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年05月10日

ベトナム商工会議所(VCCI)は4月20日、「ベトナムの産業と改正刑法に基づく知的財産権の執行セミナー」をホーチミン市で開催した。国家知的財産庁(NOIP)、ベトナム知的財産協会(VIPA)、企業団体、弁護士など約60人が出席した。

刑事上の手続きおよび刑罰が規定

セミナーでは、2017年に公布された「2015年刑法を改正する法」(12/2017/QH14)について改正の経緯やポイントが説明された。ベトナムではこれまで、知的財産権の侵害には行政罰の罰金しか科すことができなかった。しかし、知的財産の規定を含む2国間の自由貿易協定(FTA)や、包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP、いわゆるTPP11)のような多国間の国際協定の約束内容に沿って、刑法のうち知的財産にかかる刑罰と手続きについて2015年に改正、さらに2017年にも一部改正され、2018年1月1日に施行された。

2015年刑法では、旧法(15/1999/QH10、改正法37/2009/QH12)に規定がなかった「法人に対する刑罰」が新たに規定され、さらに2017年改正で法人に刑罰が科される条件が明確化された(表参照)。同改正ではさらに、旧法に規定され2015年刑法では削除された「商業的規模で行われる」という要件が再び規定されている。

表 「2015年刑法を改正する法」の主な改正点(2015年刑法との比較)

実際に知財違反が刑事事件として扱われることはまれ

ジェトロの「ベトナムにおける知的財産の権利執行状況に関する調査」PDFファイル(707KB)によれば、実務上、知的財産侵害事案の多くは行政手続きであり、刑事手続は非常に少ない。常習的侵害行為の場合、行政手続から刑事訴追に移行し、損害賠償請求を行う場合があるが、複雑な裁判手続きが必要とされ、「故意性」などの証明も難しいとされている。今回の法改正によりこれらの状況が変わるか注目される。

セミナーでは、ベトナムではコピー回数制限を解除したソフトウエアの利用が多いなど個人や法人の知的財産への関心が低く、違法ソフトウエアと知らずに無意識に購入・使用する恐れや、違法ソフトウエアの利用によるウイルス感染やサイバーアタックなどのリスクが説明された。

参加者からは、「どこでソフトウエアを購入すれば問題ないか」といった質問が寄せられた。

(小林亜紀、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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