日系企業の中間層向け新不動産開発が始動

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年05月10日

西日本鉄道と阪急阪神不動産は4月20日、現地デペロッパーであるNAM LONG(ナムロン)と共同で、ホーチミン市ビンタン区において不動産開発プロジェクト「アカリシティ(AKARI CITY)」に着手すると発表した。

同プロジェクトの所在地は、主要幹線道路に面し、市内中心部まで約30分、近隣には学校やイオンモール・ビンタン店があり、立地条件は良好だ。3社共同のプロジェクトは本件が第5号案件となる(表参照)。同プロジェクトの発表会には、在ホーチミン日本総領事館をはじめ、不動産業界関係者、マスコミなど約200人が参加し、注目を集めた。

表 3社共同の不動産開発プロジェクト一覧

中所得層がターゲット

3社が手掛けるプロジェクトは、全てホーチミン市郊外にあり、ターゲット層は中所得層以上のベトナム人だ。ホーチミン市では、所得の上昇に伴い中所得層の持ち家志向が強まり、従来の3世帯同居(祖父母・父母・子)から核家族化が進む中で、購入しやすい価格帯のマンションが人気になってきている。中でも50~70平方メートル、価格帯500万~1,000万円程度のマンションの需要は高いといわれている。

3社の共同プロジェクトは、同価格帯を維持し、ベトナム国内の実需層を主なターゲットとしている。また、品質面で差別化を図り、現地企業であるナムロンによる目利き(土地選定)と、鉄道網を中心に街づくりを行ってきた歴史を有する日系企業の強み(開発経験とノウハウ)を生かしている点に特徴がある。

(佐々木進伍)

(ベトナム)

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