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ドイツ国内の熟練人材不足が顕著に

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2018年05月22日

ドイツの公的研究機関であるifo経済研究所は5月9日、ドイツの労働市場における熟練労働者不足に関するレポートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。それによると、卸売業(自動車を除く)で23.9%(前年18.2%)、小売業(自動車を除く)で25.7%(前年18.0%)、自動車販売で25.4%(前年22.5%)の企業が熟練動労者不足と回答するなど、流通市場においても人材不足が顕著になりつつあるようだ。

ドイツでは近年の好調な国内経済の下、雇用率の高い状態が続いている一方、熟練人材の不足を指摘する声が高まっている。連邦雇用庁は、特に技術系や建設および健康・介護関連の職種、さらに物流や流通における人材不足が深刻としている。

また、ケルン経済研究所(IWケルン)は、ドイツの労働市場では現在、専門人材が44万人不足しており、これが低水準の投資や企業の生産・処理能力不足など、経済成長を阻害する要因に結びついているとの見方を示しており、人材不足が改善されれば、GDPで最大0.9%(約300億ユーロ)の経済効果が見込まれると試算する。

教育制度の改革求める声も

熟練人材不足の対策として、国内の教育制度の改革を求める声も多い。ドイツ機械工業連盟(VDMA)の教育部長ヨルグ・フリードリッヒ氏は、デュアルシステム(注)が専門人材不足を長期的に充足する最も良い方法であり、政府は職業学校に投資すべきと指摘する。また、ifo経済研究所は今回発表したレポートの中で、専門人材不足の対策に取り組む企業はまだ少ないとの調査結果を紹介する一方、労働環境の改善や魅力的な研修機会の提供、研修・訓練生の採用などの対策が有効としている。

特に若年層は、ワークライフバランスや仕事と家庭の両立を求める傾向が強いため、企業が従業員の希望を正確に把握し、職場環境に反映することが優秀な人材の確保や雇用維持につながるとしている。さらに、デジタル化が進む中で従来とは異なるスキルが求められており、社員研修などにより、社員に学習機会を提供する取り組みも企業の魅力を高める上で有効とした。

(注)義務教育終了後、専門・職業学校などでの座学および企業における実習を並行して進めるドイツの伝統的な職業訓練システム。

(ベアナデット・マイヤー)

(ドイツ)

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