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カタルーニャ州、新州首相を選出

(スペイン)

マドリード発

2018年05月15日


独立宣言後に自治権停止という状況下にあるカタルーニャ州議会は5月14日、ジョアキム・トラ州議会議員〔カタルーニャ連合(JxC)〕を州首相に選出した。新州首相は、刑事訴追から逃れるべく国外脱出したカルラス・プチデモン前州首相より直接候補指名を受けた腹心で、独立運動がらみの刑事訴追には関与していないものの、独立推進団体の代表を務めた経験もある活動家として知られる。信任投票前の演説では、「最優先政策は独立共和国の建国。真の州首相は民意を受けたプチデモン氏だ」と述べるなど、中央政府に対し挑発的な態度を示した。

中央政府は独立問題で訴追されていない閣僚による州政権樹立を自治権停止解除の条件としており、今回の新州首相選出とこれに続く閣僚任命をもって、自治権はひとまず復活するとされる。マリアノ・ラホイ首相は新州首相に対し、融和と和解を呼び掛ける一方で、「スペイン法と憲法は必ず順守してもらう」とくぎを刺した。

「つなぎ」の短命政権の可能性濃厚

同州では2017年12月21日の州議会選挙の結果、独立賛成派の3勢力〔JxC、カタルーニャ共和左派(ERC)、民衆団結代表の党(CUP)〕が辛うじて議席過半数を維持したものの、議会は独立賛成派と反対派で二分される状況となった(2017年12月25日記事参照)。

比較的穏健な独立賛成派であるJxCとERCが州首相選出の交渉を進めたが、最強硬派のCUPがプチデモン氏の続投を強く要求。同氏以外の候補を積極的には支持しない意向を早くから示していた。

また、国外にいるプチデモン氏ら2人の州議員の委任投票が実現せず、有効な賛成票が独立反対勢力4党の反対票(65票)を下回る状況となっていた。今回は中央政府が自治権停止という事態の長期化を回避すべく、プチデモン氏らの委任投票を黙認、またCUPが棄権(4票)したことで、賛成票が多数(66票)となり、5カ月ぶりに新首相選出が実現した。

なお、夏にかけて刑事訴追された政治家や市民活動家の裁判が始まるなど、独立問題の余波は依然続く。新州政権はプチデモン氏の影響力が極めて強いこともあり、政治の混乱が収束する可能性はまだ低く、短期的に解散選挙が実施されるとの見方も強い。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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