外資系金融機関と企業が公共事業への投資を発表

(インド)

ムンバイ発

2018年05月24日

カナダ最大の年金基金であるカナダ年金制度投資委員会(CPPIB)と、ドイツ系保険大手アリアンツ・グループのアリアンツ・キャピタル・パートナーズ(ACP)は5月9日、ムンバイに本拠を置くエンジニアリング・建設ラーセン・アンド・トゥブロ(L&T)グループのインフラ投資信託であるL&T インフラストラクチャー・デベロップメント・プロジェクツへ投資することを発表した。

インフラ投資信託(Infrastructure Investment Trust:InvIT)は、有料道路などのインフラから得られた利益を、保有する「ユニット」数に応じて出資者に還元するオープン型投資信託のこと。CPPIBはL&Tが建設した5つの有料道路の事業区間のうち30%のユニットを、ACPは25%のユニットをそれぞれ取得する。ACPの投資責任者は「インフラはインド経済成長のカギであり、政府の財政負担と投資における法的枠組みが、長期的な投資を魅力的にしている」と述べている(「ミント」紙5月10日)。

ドイツACPはインドへの初の直接投資

ACPにとって、この投資はインドへの初の直接投資となる。一方、CPPIBはインド国内の不動産などを中心に多くの投資を行ってきた実績がある。2017年上半期(1~6月期)の不動産投資額は7億5,000万ドルと企業・組織別で1位になっており、2018年1月には地場再生可能エネルギー事業者に対する1億4,400万ドルの投資を発表している。

このようにインドへの投資に積極的な外資系の機関や企業が、InvITへの投資を表明したことは、投資対象としてInvITに一定の魅力があることを示しているといえそうだ。インフラ整備が成長のネックとなっているインドにおいて、インフラへの民間投資は大きな期待を持たれている。

(比佐建二郎)

(インド)

ビジネス短信 c37695f28f2e1502