上海市、陸・海・空の無人機専用モデル区を設置

(中国)

上海発

2018年05月21日

上海市臨港地区開発建設管理委員会は5月8日、「臨港地区陸・海・空無人システム総合モデル区」(以下、モデル区)の発足式を行い、正式に運営を始めた。モデル区は無人運転車のテスト道路、無人船舶のテスト水域、無人航空機のテスト飛行空域を含む区域で構成される。

無人運転車のテスト道路については、全長4.7キロの専用道路を新たに建設し、また無人船舶のテスト水域は面積約1キロ平方メートルの「滴水湖」を利用して無人テスト試験区を設ける。無人航空機のテスト飛行については直径6キロ、高さ200メートルの空域を利用する。

上海市臨港地区開発建設管理委員会は同日、中国電信、中国移動通信集団、中国聯合網絡通信などの通信企業と協力覚書を締結した。これらの通信企業はモデル区のインフラ整備にも協力する。

また、同委員会は地平線や商湯科技などの無人運転車関連、南風精密や邁陸海洋などの無人船舶関連、奥科賽や曜宇航空などの無人航空機関連の計20社と協力協議を結んだ。これらの企業はモデル区初の利用企業になる予定だ。

AI関連産業の育成に注力

臨港地域は浦東新区に属し、長江と杭州湾に囲まれており、面積は315.6平方キロ。上海市臨港地区開発建設管理委員会は同地域の人工知能(AI)関連産業の育成に力を入れており、2017年12月28日、「上海臨港AI産業基地」を発足し、「臨港地区AIと実体経済との融合・発展行動方案」を公布した。また、地平線、百度(バイドゥ)のイノベーションセンターなどのAI関連技術の開発企業や機構を同基地に入居させている。無人機はAI技術の重要な応用分野として位置付けられ、今回のモデル区の設立は無人機産業の育成に欠かせないとみられている。

(文涛)

(中国)

ビジネス短信 c22438a27e7a0298