モロッコ経団連総裁にメズアール元外相

(モロッコ)

ラバト発

2018年05月25日

モロッコ経団連(CGEM)の総裁選挙が5月22日に実施された。新総裁にサラフディン・メズアール氏が選出され、副総裁にはファイサル・メクアール氏が再任された。

モロッコ民間企業を代表する経済団体で、約9万社が加盟するCGEMの総裁選挙は3年に1度行われる。2期6年務めたミリアム・ベンサラ=シャクルン前総裁の後任ポストをめぐって、メズアール氏は前CGEM理事のハキム・マラクシ氏と競っていた。22日に即日開票され、メズアール氏の総裁就任が決まった。なお、総裁選挙はCGEMに加盟する企業の投票により行われ、メズアール氏とメクアール氏が有効投票の約78%を獲得した。

メズアール氏は、1953年メクネス市生まれで、モロッコとフランスで学位を取得。その後、CGEMに加盟する繊維・皮革連盟の会長を務めた。2004年に商工相、2007年に経済・財政相に就任。2010~2016年に連立与党の独立国民連合(RNI)の党首、2013~2017年に外務・国際協力相を務めた。また、2016年に南部マラケシュで開催された国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)では議長を務めた。

メズアール氏は、「モロッコはさまざまな困難に直面しているが、職業訓練と教育を強化し、今後雇用創出に力を入れたい」と述べた。経済団体の総裁に政治経験の豊富なメズアール氏が就任したことで、政界と経済界との関係が今後より緊密になると予想される。

なお、2016年にジェトロは、中小企業交流、相互直接投資、アフリカでの第三国連携などの分野で関係強化を図ることを目的にCGEMと協力覚書を締結している。

(井上尚貴)

(モロッコ)

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