12日の総選挙を控え、イラク国境を閉鎖

(イラク)

ドバイ発

2018年05月11日

イラク国営放送は5月9日、総選挙に向け全ての国境での人の往来を制限すると報道した。幾つかの例外を除いて、国際線のフライトの運航を停止し、陸路の国境も封鎖する。総選挙の24時間前から実施される。

また、クルディスタン地域政府(KRG)のカリーム・シンジャリ内務相は、クルディスタン地域内の県境を投票日の12日の現地時間午前7時から午後7時まで封鎖すると発表した。セキュリティー上の混乱を避けるため、警備員は5月10日に事前投票を済ませ、警備に専念する。投票所付近には既にチェックポイントが複数設置されている。

イラク戦争終了後、2005年に国民議会が発足してから4回目となる今回の総選挙では、約7,000人の候補者が329議席を争う。イラク全18県ごとを選挙区とする比例代表制で、27の政治連合、143の政党が登録している。アバディ現首相は勝利連合(Victory Alliance)、マリキ前首相は法治国家連合(State of Law Coalition)をそれぞれ率いており、両氏が所属するダアワ党は勢力が分かれている。

前回2014年4月30日の総選挙では約9,000人が立候補し、イラク独立高等選挙委員会(IHEC)よる暫定結果が出るまで3週間、現アバディ内閣の発足に4カ月を要している。

写真 選挙ポスターが街中に掲出されているバグダッドの様子(ジェトロ撮影)

(田辺直紀、オマール・アル・シャメリ)

(イラク)

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