グジャラート州で初めて自動車サミットを開催

(インド)

アーメダバード発

2018年05月30日

インド自動車部品工業会(ACMA)主催の「バリュー・チェーン・サミット」が5月18日と19日の2日間、インド西部グジャラート(GJ)州の州都ガンディナガルにある国際会議場で開催された。完成車メーカーと部品メーカーとの商談機会の提供を目的としたGJ州では初めてのイベント。会場には展示ブースが設置され、地場自動車部品メーカーを中心に141社が出展した。

ホンダとスズキがGJ州での生産拡大をコミット

開会式では、ビジャイ・ルパニGJ州首相が来賓あいさつに立った。ルパニ州首相はGJ州における自動車産業集積実現のための州政府の支援実績をアピールし、「来年1月開催予定の投資誘致イベント『バイブラント・グジャラート2019』を通じて、自動車産業をはじめとしたさまざまな外国企業によるGJ州へのさらなる投資拡大を目指す」と意気込んだ。

GJ州進出大手完成車メーカー事業紹介は、4社のうち2社が日系企業だった。ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア(HMSI)の加藤稔社長は「GJ州内で120万台のバイクを生産する。現在のホンダの二輪販売のシェアは43%だ。2020年に向けて質・量ともにインド市場を牽引していく」と話した。

マルチ・スズキ・インディアの鮎川堅一社長は「現状、GJ州の工場では25万台を生産するが、2020年までに75万台までこれを拡張していく」と強調。スズキとして「メーク・イン・グジャラート」(GJ州での生産・雇用拡大)への貢献にコミットする姿勢を示した。また、両社ともに現地ワーカーの育成・輩出にも力を入れていくことを明らかにした。

マネジメントクラスの採用が課題

GJ州では、ワーカークラスの雇用に係る問題は顕在化していない。一方で、同州進出日系企業からは「マネジメントクラスの採用が難しい」との声を聞く。現在、多くの日系企業は他州からの採用や配置換えでマネジャーを確保しているという。今後も日系企業の進出が見込まれる同州では、現地人材の採用・育成が重要なテーマとなりそうだ。

写真 あいさつするHMSIの加藤社長(写真左)とマルチ・スズキの鮎川社長(共にジェトロ撮影)

(丸崎健仁)

(インド)

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