ベンガル商工会議所がITビジネス会議を開催

(インド)

ニューデリー発

2018年05月25日

ベンガル商工会議所は、第9回ITビジネスカンファレンスを西ベンガル州の州都コルカタで5月10日に開催した。今回のテーマは「ブロックチェーンに挑戦するフィンテック」で、同州を中心に約150人が参加した。

ベンガル商工会議所IT委員会のアルナブ・バス委員長はあいさつにおいて「ブロックチェーンはフィンテック企業の関心の的であり、金融サービスをより効率的かつ透明にする可能性を秘めている」と話した。

ブロックチェーンは世界中に散らばるコンピュータ(分散型ネットワーク)を介し、取引記録をブロックごとにまとめ、それぞれのブロックをチェーンのようにつなげて保存し、情報を全てのコンピュータが共有することで、改ざんされない、信用が担保された取引記録を処理できることが魅力だ。ブロックチェーンは元々ビットコインの根幹を成す技術だったが、その革新的な技術によりフィンテックへの応用の期待が高まっている。

デバシーシュ・セン西ベンガル州首席次官補は、西ベンガル州政府は仮想通貨、ブロックチェーンなどの新興技術を活用することに重点を置いており、コルカタ市内の金融地区であるラジャハットにフィンテックハブの設置を検討していると発表した。また、同氏は「ブロックチェーンには資金の流れを透明化する機能があり、社会犯罪者を追跡するツールとしても非常に効果的だ」とも話した。

ジェトロ・ニューデリー事務所の梅木壮一所員は、日本とのIT協業をテーマに、「日本のフィンテックの主要市場は決済分野だが、ここ数年でブロックチェーンへの関心が急増している」とした上で、「インドのIT・フィンテック企業にとって、世界をリードする分野を持つ日本企業と協力し、同企業に最新技術を提供することは、世界的に拡大するための明確なメリットとなる」と期待を込めた。

写真 梅木所員の講演の様子(ジェトロ撮影)

(羽鳥慎也)

(インド)

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