2017/2018年度の実質GDP成長率は5.8%

(パキスタン)

カラチ発

2018年05月11日

パキスタン財務省は4月26日、2017/2018年度(2017年7月~2018年6月)のパキスタン経済白書を発表した。同年度の実質GDP成長率は5.8%と、当初目標の6.0%を下回ったが、過去13年間で最高水準を記録した(図参照)。

図 パキスタンの実質GDP成長率(産業別)

産業別に成長率をみると、鉱工業は5.8%と前年度(5.4%)から加速した。中でも製造業は過去11年間で最高の6.2%となった。2017年7月~2018年2月の大規模製造業指数(LSM)をみると、電化製品の生産が前年同期比38.8%増と大幅に拡大をみせている。日系企業が高い市場シェアを有する輸送機器(四輪・二輪)については、19.6%増となった。トラクターやトラックなどの商用車が伸びた。

農業の成長率は3.8%と、前年度(2.1%)を超えた。種苗・農業関連資材の供給が改善し、収穫が増えた。なお、サービス業は6.4%と前年度(6.5%)から横ばいだった。

輸入超過の拡大が進む

その他の経済指標では、消費者物価指数(CPI)上昇率は、2017年7月から2018年3月までの平均が3.8%となり、前年同期の4.0%をわずかに下回った。

輸出入(2017年7月~2018年2月)をみると、輸出は前年同期比11.6%増の148億ドル、輸入は17.1%増の391億ドルとなった。輸入超過の拡大が見込まれ、当地経済界では、外貨準備高の減少とルピー安を懸念する声が聞かれる。

海外直接投資(ネット、フロー)受け入れについては、2017年7月から2018年3月までの9カ月間で21億ドルと、前年同期比4.4%増となった。中国・パキスタン経済回廊(CPEC)関連事業への投資が目立ち、産業別では電力が7億ドル、建設が5億ドルと多かった。

(野上活)

(パキスタン)

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