モロッコ首相が韓国を公式訪問

(モロッコ、韓国)

ラバト発

2018年05月31日

モロッコのサアディ・ディン・エル・オトマニ首相は、5月20~24日に韓国を公式訪問し、幅広い分野での両国間の関係強化について合意した。

両国の友好や実務協力の促進で意見交換

オトマニ首相は5月21日、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相と会談を実施し、両国の友好協力関係、実務面での協力の促進などについて幅広い意見交換を行った。23日には釜山で開催されたアフリカ開発銀行(AfDB)年次総会に出席した。今回の公式訪問には、モハメッド・ブーサイド経済・財政相、サイード・アムザジ国民教育・職業訓練・高等教育・科学研究相、オトマン・エル・フェルダウス産業・貿易・投資・デジタル経済相付投資担当閣外相が同行。今回の会談の結果、2018年下半期中に李首相のモロッコ公式訪問および2018年第4四半期中に第7回韓国・モロッコ合同委員会のソウルでの開催を目指す方向で一致した。

モロッコは、「産業推進計画(2014-2020)」などを通じ、韓国をロールモデルとして同国の経験とノウハウから学ぶことを期待している。また、都市部のみならず農村部も含めたインフラ開発や、アフリカ諸国を対象とした第三国協力事業で韓国企業と協力したいとしている。さらに、両首相は農業分野が両国間の有望な協力分野との認識の下、韓国政府が2010年に発足させた「韓国・アフリカ農業技術協力協議体(KAFACI:Korea-Africa Food and Agriculture Cooperation Initiatives)」を活用し、農業生産性の向上のための研究開発(R&D)事業などを継続推進していくことで合意した。

産業、再生可能エネルギー、自動車、新技術、教育、観光などの分野においても、両国間の協力拡大についての期待がモロッコ側から表明された。加えて現在、両国間で協議中の韓国の経済開発協力基金(EDCF)借款基本協定や高等教育協力に関する覚書などが早急に締結されるよう努力することで一致した。

(井上尚貴)

(モロッコ、韓国)

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