ドバイへの来訪者は前年比6.2%増、既存施設が人気を維持

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2018年05月01日

ドバイ政府観光・商務局(DTCM)は、2017年年次来訪者レポートを発表した。ドバイへの来訪者の動向や来訪者拡大のための取り組みやキャンペーン、戦略の分析などが記載さている。

同レポートによると、2017年のドバイへの宿泊を伴う来訪者数は、前年比6.2%増の1,580万人で、増加率は2016年から1.3ポイント回復した。地域別・国籍別の来訪者数は表1、2のとおり。サウジアラビア、オマーン、クウェートなど湾岸協力会議(GCC)諸国からの来訪者が減り、2017年6月以降断交状態にあるカタールについては2016年17位(19万8,000人)だったが、2017年は上位20位に入っていない。

表1 ドバイの地域別訪問者シェア
表2 ドバイの国籍別訪問者数上位20カ国

一方、2016年末以降に到着時のビザ取得が可能になった中国・ロシアからの来訪者数が急増している。このため、地域別では従来最大のシェアを占めていたGCC諸国が4ポイント低下し19%となり、西欧に逆転された。

DTCMは特定の地域・国の情勢に左右されないよう来訪国の多角化を目指しているが、上位10カ国からの来訪者数が全体の59%を占めており、さらなる取り組みが必要との認識を示した。

来訪者全体の来訪目的は73.8%が余暇で、友人や親戚の訪問が13.9%、ビジネスのための出張が11.5%だった。ドバイでの訪問場所は、中心地にあるドバイ最大の商業施設、ドバイ・モールの人気が引き続き高く来訪者の97%が訪れており、ドバイ・モールに隣接するドバイ・ファウンテンが81%、伝統的な街並みを保存している文化・遺跡地区が63%と続いた。2016年以降、大型テーマパークやオペラハウス、博物館など新しい観光スポットが数多く完成しているが、まだ既存スポットの集客力が高いようだ。

2018年は1~2月で前年同期よりも1.3%多い305万人が来訪している。DTCMは当地メディアの取材に対し、2018年は訪問者数の増加が続く中国、ロシアに加え、ナイジェリア、南アフリカ共和国、インドネシア、マレーシアなどの新興国でのキャンペーンを強化していきたいと答えており、万博が開催される2020年に来訪者2,000万人という目標達成に向けた取り組みが続いている。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

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